スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[名作アニメレビュー] 少女革命ウテナ - 2010.05.23 Sun

 久しぶりにウテナを通して見た。やっぱり好きだー。既存の価値観をぶっ壊してくれる心地よさ。稀有な作品です。演劇的な演出、シュールなギャグとシリアスの切り替えの奇妙さは、映像作品を見ている人ほど楽しめるかもしれません。何より自分は作品を通して伝えられるメッセージの力強さに痺れます。


 鳳学園中等部に編入した男装の女子中学生、天上ウテナ。「薔薇の花嫁」である姫宮アンシーと関わったことにより、彼女は学園内で行われる薔薇の花嫁をめぐる決闘ゲームに巻き込まれていく。決闘ゲームは「世界の果て」からの謎めいた手紙によって執り行なわれていた…。


作   品   名 総合評価 テーマ
構 成
脚 本
キャラクタ
動 画
演 出
背 景
美 術
音 楽
少女革命ウテナ 8.6 10
→1990年代後半アニメランキングへ

 第1話、今から思えば作品世界観の紹介として無難に作っているわけですが、初見時には冬芽のラストの台詞で爆笑させられ、何だコレ?と思ったものでした。見続けるうちに、作品から受ける印象がどんどん違ったものになっていきました。

 作品を初めて見る人は「生徒会編」と位置づけられている12話まで、とりあえず見てみるといいんじゃないかと。相手との関係性についてシビアに視聴者に問いかける展開は、この時点まででも只ならぬものを感じさせてくれるはず。物語の根幹であるウテナとアンシーの関係性や、ウテナが王子様を目指した本当の理由、鳳学園という舞台装置の意味、といったところはまだまだこの先です。



 この作品の面白いところは、象徴的に描かれるキャラクタたちにもかかわらず、彼らが非常に人間らしく見えてくること。それぞれに表の顔、裏に秘めた想いや葛藤がある。表の顔をしていたキャラクタが本音に切り替わる瞬間の演技に何度ぞくっとさせられたか。

 それらが結局、他者との関係性(恋愛だけでなく)に起因するものである、というのが作品のテーマと重なります。この作品が10年以上経った今見ても、決して古く見えないのは、目を引く演出だけが理由ではなく、作品の根幹が普遍的なテーマを扱っているからだと思います。



 演出について少し書いておきます。舞台演劇を意識しているというのが有名ですが、90年代のTVアニメ作品としては、人物アップより引きのレイアウトが多いことも特徴だと思います。台詞回しの間を十分とっていることもあり、映画的と感じるシーンも多いです。

 音楽も外せません。シーザーの合唱曲は初めて聴いたとき、それはそれは衝撃的でしたが、このカッコ良さは癖になります。「バーチャルスター発生学」が一番好きかもしれません。シーザー曲以外の光宗信吉が手がけているBGM部分も印象的な曲が多いです。監督が曲調や楽器に関してもかなり注文を出して作品作りをしていったとの事。場面とのシンクロ具合も納得です。


P.S.
 最後に。自分がこの作品で気になることがもう1つ。フィクションとしての世界観設定が驚異的に巧いと思うんですよ。作品の世界観を壊さずにココまでやれる、という範囲がめちゃくちゃ広い。

 シリアスな作品だと、ちょっとしたことが作品から感じるリアリティを崩してしまったり、ギャグが混在する作品だとある種のギャグのシーンだけ作品から浮いてしまったり、ということがあります。この作品、そういったことがほとんどない。七実の回なんて、かなりめちゃくちゃなことをやっているにも関わらず。

 これは一体なんでだろう、と思うんですが、今はよくわかりません(笑)。フィクションに感じるリアリティ、というようなテーマは、いずれちゃんと考えてみたいですね。

名作アニメレビューTOP
スポンサーサイト

[名作アニメレビュー] R.O.D -Read or Die- / R.O.D The TV (感想追加) - 2010.04.26 Mon

 アクション重視で友情をテーマにしたOVA。会話劇重視で家族をテーマにしたTVシリーズ。どちらも映画的な演出が心地よく、落ち着いて見られる。本好き、だらだらした日常が好き、自分はダメ人間だなぁ、という人にはピンポイントだと思う。僕自身はかつて最初に見たときよりも、今になって見返した方が面白く見ることができました(ダメ人間度が上がってるもので…)。


 大英図書館の諜報員(エージェント)、読子・リードマン。彼女は普段神保町で本に埋もれた生活をしていた。彼女が依頼されたひとつのミッションと、その中での人間関係の行く先を描く(OVA版)。本が書けなくなった作家、菫川ねねね。彼女を護衛することになった紙使いの3姉妹。巻き込まれていく大きな陰謀と同時に彼らの絆を描いていく(TV版)。


作   品   名 総合評価 テーマ
構 成
脚 本
キャラクタ
動 画
演 出
背 景
美 術
音 楽
R.O.D-Read Or Die-
(OVA)
7.8 10
2001年アニメランキングへ
R.O.D The TV 8.2
2003年アニメランキングへ


 短編構成でアクションと日常のメリハリが効いた前半、長編のシリアス展開に突入する後半。家族像の解体・再構築というテーマのまとめ方は見事で、最終話エピローグの丁寧さは特筆すべきだと思います。映像的なキャッチーさと普遍的なテーマを両立しているTVアニメというのは意外と珍しいですね。

 前半と比べると後半の評判がイマイチのようですが、多分その原因は前作OVAとのギャップじゃないでしょうか。僕自身、読子さんのヘタレっぷりやジョーカー・ウェンディの変わり様など最初納得いかなかったものでした。今改めて見返すと、むしろ表面上のイメージが変わった部分も含めて、キャラクタの芯の部分が見えるようになったように思います。

 僕はこの作品のメインキャラクタで嫌いな人物ってひとりもいないんですが、一番好きなキャラクタはTV版の菫川ねねねでした。社会人になってちょっとした壁にぶつかったことのある人にとっては、彼女の葛藤に共感できるんじゃないかと思います。いざってときの啖呵の切り方のカッコ良さは惚れます。



 音楽はOVA版から引き続き岩崎琢。スパイアクションぽいテーマ曲から、おしゃれで軽やかな曲、憂鬱で気だるい曲まで幅が広いです。こういうシーンではこの曲、みたいな使いどころが決まっているので、見終わった頃にはいくつもの曲のメロディを覚えてしまっていました。「R.O.Dのテーマ」がかかったときのテンションの上がり方は異常(笑)

 また、過去の映画や小説からの引用・オマージュも多く、元ネタがわかる人には楽しめそう。脚本の倉田さんは超がつくオタクで有名ですが、それ以上に映画や小説関連の知識がすごい。最近のTVアニメでよく使われる内輪ネタのようなパロディとは違って、この作品におけるそれらはテーマに沿って使われているのが巧いところ。

 ひとつ僕の好みから外れる点というなら、OVA版の偉人軍団やTV版で1回限り登場する敵キャラがB級テイスト満載なところかなぁ。メインキャラクタの性格造形がテンプレから外しているだけに、彼らの描写があまりにもテンプレすぎるような気はしました。この作品のキャッチーな見た目には合ってるし、TV版の本筋にはあまり影響はないんですけれどね。



 以下ブルーレイの新録コメンタリで印象に残った部分について取りとめもなく書いてみます。完全ネタバレ注意。記憶に基づいて書いているので、コメントの言い回しは若干違っているかもしれません。


[名作アニメレビュー] ファンタジックチルドレン - 2010.01.23 Sat

 久々に心から凄いと思える作品を見ました。こういう作品に出会うと、アニメ見てて良かったなぁと思います。某所でアニメOPのまとめ動画を見て知ったのがきっかけだったのですが、そこで感じた雰囲気の良さはそのままに、謎めいたストーリー展開に引き込まれました。

 東南アジアの少年トーマと孤児院を抜け出した少女ヘルガ、百年前と同じ姿で現れた黒衣白髪の少年たち、連続失踪事件を追う刑事クックス、彼らの物語はやがて交差し、遥か昔・遥か遠くで起こった、とある物語を紐解いていく事になる。

作   品   名 総合評価 テーマ
構 成
脚 本
キャラクタ
動 画
演 出
背 景
美 術
音 楽
ファンタジック
チルドレン
8.8 10 10
2004年アニメランキング


 視聴率重視のTVシリーズで、よくこんな企画が通ったと思わなくもない。異国情緒溢れる雰囲気で惹きつけてはいるものの、序盤10話くらい話の方向性が掴めない。そこまで広げた話を最終的に完全に回収しきっているのは構成の妙。まとめて見るには絶好の作品だと思います。


 キャラクターデザインなどは世界名作劇場的なタッチですが、神秘的な雰囲気、輪廻転生・悲恋などのキーワードや心理描写は往年のSF(オカルト)少女マンガに近いのではないでしょうか。終盤は丁寧な演出と演技の上手さもあり、展開が予想できていても相当心にクるものがありました。



 見始めて最初に印象に残ったのは音楽かもしれません。OP・EDも好みですが、上野耕路の手がけるBGMは作中何度も使われるだけにとても印象に残ります。

 冒頭の奇妙なアルペジオで始まる「べフォールの子供たち」はサティ+ラヴェルという雰囲気。また、後述しますが後半のとあるシーンで、BGMが演出上の重要な役割を負っているなど、作品として音楽を重視していることも感じられます。


 DVD欲しくなってしまったくらいなのだけれど、BOXでは出てないのか…。いっそブルーレイでBOX化してくれないかなぁ。声優さんの「オエセル隊」なるユニットも継続されているようで、根強く人気あるようですし。

 ネタバレでいくつか書きたいことがあるので、後で追加します。


[Anime] Phantom~Requiem for the Phantom~ ラストシーンのあれ?etc - 2010.01.17 Sun

 MADLAX、エルカザドとも最初の方だけしか見ていない自分としては、NOIR以来の最後まで見通した真下監督作品なわけですよ。絵はNOIR当時からすればずいぶん綺麗になりましたが、中身はあんまり変わってないかなー。様式美みたいな作風なので、むしろ昔の書き込みの少ない絵の方が演出には合っていた気もしたり。

 3部構成ですが、第2部が終わった時点でちょっとテンションが下がってしばらく放置していました。とは言え、そこまで見た以上先が気になっていたのも事実。今更ながら、最後まで見ました。全体評価は高くもないんですが、書きたいことが出来てしまったんで書きます。ホント今更ですが、最終回のネタバレ全開なので、注意。

■Phantom Requiem for the phantom ラストシーンのあれ?■

 ストーリーより何より『演出変だよ!』と思ってしまいました。視聴者の解釈に委ねるというより、どう解釈しても収まりが悪く、何かもやもや。

 違和感を感じたのは最後、エレンが振り返った後に一拍おいて微笑むシーン。だって振り返った先には玲二が倒れているはずで。微笑みながら振り返るんならともかく、振り向いた後で微笑する。これは何ぞ?というわけです。その後のエンドロールでも未だに玲二が撃たれたことに気付いていないように見えます。

 ネット上では「玲二だと思って振り返ったら実は刺客で、その後エレンも撃たれた」という意見が多いみたいです。しかし、それならば振り返ってすぐ気付くはずで、微笑むタイミングが妙です。

 とりあえず自分なりに解釈してみるとこうなりました。エレンは玲二が倒れているのを見る。しかし、それが撃たれたものだとは思わなかった。ただ草原に寝転んでいると思った。だから、それを微笑ましく思って笑顔になった。それで、自分もその場に寝転がってみた、というわけで無事エンドロール。

 それでも変な点はあります。この解釈ならば、エレンが見た玲二は撃たれた苦悶の表情ではなく穏やかな顔で横たわっていたということになると思います。しかし、玲二は撃たれた時点でまだ「エレンの笑顔を取り戻す」という約束を果たしたことを知らないんですよね。果たして彼はそんな満足気で安らかな顔で死ぬことができたのだろうか…。


 んー、まあこの作品自体かなりツッコミどころは多いんですが、最後の最後で一番違和感を感じてしまったなぁ。上に書いた点も、エレンが微笑んだのを印象づけるためにカメラの方を向かせただけ、というのが正解かもしれません。


 まったく関係ない話ではありますが、以前別の作品のスタッフインタビューで『人を殺してきた人間には作品内でそれなりの最期を与えた』、という話を読んだことがあります。このラストを見たときに、それを思い出しました。

 僕は、フィクション(特に子供向けでない作品)においては、そういう道徳的社会的価値観に縛られて欲しくない、と思っています。とは言え、この作品については、制作側にその辺の主張のある作品でもなさそうですし、玲二が死んでも生き残ってもストーリーとしてはまとまったとは思いますが。

 ただ、第一部、第二部ともラストで誰かが死に、実は生きていたという展開をさんざんやった後ですし、全体的にラブストーリー色の強い作品だっただけに、ラストくらいは二人とも生存にしてくれた方が良かったなぁ。それこそ、罪とかモラルとかそういったことを越えたところでの幸せの形のようなものが残って欲しかった、と感じました。


[Anime Review] 名作アニメレビュー(少女革命ウテナ、追加) - 2009.12.13 Sun

 レビュー作品一覧です。一応、「名作レビュー」ではランキングで8点以上(個人的名作認定)の作品を中心に取り上げます。簡易的なものは「アニメ感想」にて

■ 50音順 レビュー作品リスト
ARIA The Animation (2005)
ARIA The NATURAL (2006)
ARIA The ORIGINATION (2008)
→名作レビュー
R.O.D (2001)
R.O.D The TV (2003)
→名作レビュー
イヴの時間 劇場版 (2010) →映画感想
いばらの王 - King of Thorn (2010) →映画感想
N・H・Kにようこそ (2006) →名作レビュー
Ergo Proxy (2006) →名作レビュー
劇場版 空の境界 (2007~2009) →映画感想
かみちゅ!(2005) →名作レビュー
カレイドスター (2003)
カレイドスター 新たなる翼 (2004)
→名作レビュー
機動警察パトレイバー The Movie (1987) →映画感想
機動警察パトレイバー2 The Movie (1993) →映画感想
雲のむこう、約束の場所 (2004) →映画感想
サマーウォーズ (2009) →映画感想
シムーン (2006) →名作レビュー
少女革命ウテナ (1997) →名作レビュー
ストロベリーパニック (2006) →アニメ感想
電脳コイル (2007) →名作レビュー
true tears (2008) →名作レビュー
灰羽連盟 (2002) →名作レビュー
ハチミツとクローバー (2005)
ハチミツとクローバーⅡ (2006)
→名作レビュー
ファンタジックチルドレン(2004) →名作レビュー
プラネテス(2003) →名作レビュー
Phantom~Requiem for the Phantom (2009) →アニメ感想
マクロスF (2008) →名作レビュー
マイマイ新子と千年の魔法 (2009) →映画感想
蟲師 (2005) →名作レビュー



NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

Profile

Author : CroaK

Since 2008.9.27.

ブログの中身は上のメニューから。

管理人へのご連絡等ありましたらコメント欄にお願いいたします。

Access Count

Categories

このブログについて (1)
日々雑記 (68)
スカイ・クロラ (19)
アニメランキング (13)
アニメレビュー (19)
映画感想 (27)
電子ピアノ (25)
カーデザイン (17)
イラスト (7)
楽譜 (7)
特集記事 (5)
音楽 (1)

Tag

アニメ 音楽 日記 読書 小説 部屋 漫画 楽器 映画 

Archives

Recent Entries

Recent Comments

Search

RSS

QR

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。