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スカイ・クロラの謎 考察 第1回、第2回 - 2009.02.28 Sat

 森博嗣の「スカイ・クロラ」シリーズは個人的にとても思い入れの深い小説です。先日、文庫化された最終短編集「スカイ・イクリプス」を読んだことで、この謎多き小説に関して一定の解釈をすることができたように思います。というわけで、何回かに分けてこのシリーズを考察していきたいと思うのです。なお、この先の内容はネタバレを多数含みますので、未読の方は、是非先に小説を読んで見てください。

 具体的な考察に入る前に、まず心にとめておきたいことが原作者である森先生が自らヒントとしてブログに記述している下記の文章です(MORI LOG ACADEMY 2008/10/18より引用)。


①シリーズ5作では、主人公(一人称)はそれぞれ1名。
②クローン(特に短時間で人間を再生する)や記憶移植といった非科学的なものはこの世界にはない。
③「スカイ・クロラ」から読むから難しく感じるかもしれない。たとえば、草薙瑞季は、水素の娘だと思っている人が多いですが、土岐野がそう言っただけです。このように、何を信じるべきか、ということが重要だと思います。


 森先生はミステリィ作家でもある方ですから、これらのヒントは「そのまま」受け入れたいと思います。とくに①については「章毎に主人公は変わらない、エピローグでも変わらない」と解釈したいと思います。

 では、いくつかの点について考察していきましょう。以下、タイトルが長いので、「ナバテア」「ダウンツ」「フラッタ」「クレイドゥ」「クロラ」と省略しています。僕が注目したいのは「時系列」「舞台設定」「意図された矛盾」という3点です。


■考察1 「ナ・バ・テア」「ダウンツ」「フラッタ」での時系列


 この3作が連続していることに異を唱える人は少ないと思います。作中の時間経過表現をもとに詳しくみていくと、下の表のようになります。この作品、日数だったり約~週間経過、といった時間の表現がかなり詳し書かれていて、ほとんどのイベント間の時間経過を拾うことができたりします。

某年 春草薙・笹倉がA基地に転属(ナバテア冒頭)
初夏栗田・比嘉沢がA基地に転属
草薙が妊娠、キルドレでなくなる
海上訓練プログラムに参加
初秋ティーチャとB基地へ出張
新人3人(桜城含む)がA基地に配属
休暇、堕胎手術、ティーチャが辞める
翌年 春桜城が墜ち、草薙負傷(ダウンツ冒頭)
B基地での講習、ティーチャとの戦闘
草薙 昇進、栗田・笹倉・他整備士1名とともにC基地に転属
栗田が土岐野とのフライト中にティーチャと遭遇(フラッタ冒頭)
初冬栗田、エンジントラブルで軟着陸
栗田、相良の逃亡を助ける
草薙母葬式、栗田が相良に撃たれ入院。C基地からいなくなる。
翌々年 春大規模な戦闘

 某年秋の3人の新人パイロット配属の中に桜城がいたかどうかは明言されていません。しかし、フラッタ冒頭で栗田が「草薙と1年以上」一緒(ニュアンス的に1年と少し)と述べていることから、この想定でほぼ間違いないかと。なお、季節表記については作中の表現と時間経過からの類推です。

 ここでもうひとつわかること。栗田は草薙母の葬式のときに10歳弱と思われる草薙瑞季に会っています。草薙が堕胎手術を受けた時からの時間経過を考えても、瑞季は草薙水素の娘ではありえないことがわかります。

 もっとも「ダウンツ」で草薙が「母親以外の血縁が思いつかない→自分の子の存在に思い至る」というシーンがあるので、おそらく「ダウンツ」から「フラッタ」の間で草薙水素は瑞季の存在を知ったのではないでしょうか(おそらく瑞季の両親がなくなったことにより後見人になったと想像します)。

 なお、上記時系列表ラストの「大規模な戦闘」は今後の時系列考察の基点としてわかりやすいので、目立たせてあります。


■考察2 「ナバテア」「ダウンツ」「フラッタ」での舞台設定


 前考察からもわかる通り、草薙と栗田は「ナバテア」「ダウンツ」でのA基地から「フラッタ」ではC基地に移動しているはずです。しかし、作中にはこの2つの基地が同じ基地と思わせるような表現が(おそらく意図的に)多々使われています。


①基地では事務棟の2階に司令室、1階に食堂がある。
②基地へのアクセス時に橋を渡る。まっすぐな道。
③橋のたもとにカフェがある。そこは街はずれであるらしい。
④カフェのマスターが片目であるらしい。
⑤フーコが出てくる。


 同じ会社の基地であれば①は十分にあり得るし、街から離れた基地住民を対象に商売をする③もあり得る話です。②⑤はフーコの館のある街の近くに河が流れていて、その河近くに2つの基地があると考えればいいでしょう。問題は④です。両基地の近くにあるカフェのマスターが偶然2人とも片目である可能性は……限りなく低いと言わざるをえません。

 結論としては、栗田が相良に対して言った「マスターは片目で運転できない」というセリフは嘘であるということです。このシーン、栗田は相良を気遣って自分が駅まで送っていこうと考えています。栗田は前の基地の近くで片目が不自由なマスターを知っていたので、そういうセリフが出てきたのでしょう。

 最後に2つの基地の違いと思われる表現を挙げておきます。


①A基地では滑走路の向こうは土手と川、C基地は滑走路の向こうにも格納庫がある。
②A基地近くのカフェは薄暗く煙草の煙で充満。
 店内のジュークボックスはナバテア後半で壊れた。
 オレンジのネオンや道から奥まっている描写など、柄が悪そう(笑)。
 白髪の太ったマスターは片目が見えない。ミートパイが美味しいのはこちら。
③C基地近くのカフェでは壁際にマガジンラックがあり、店内は閑散としている。
 入り口の外にステップがある。この店に関する描写は少ない。
④相良亜緒衣の家が近いのはC基地の方。
⑤地域住民との共生のためのイベントを以前からやっているのはC基地の方。


 このあたりの描写が、このあと「クレイドゥ」「クロラ」を考察する際に重要と思っています。では、続きは次回。

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祝1000ヒット! - 2009.02.12 Thu

うわ、気付かないうちに、ささやかながら1000ヒットですよ。
見てくれた皆様、本当にありがとうございます!

まあ、たぶんペースとしては遅い方でしょうねぇ。
かなりニッチな組み合わせのテーマだし。
他のサイトやブログさんのところへも、ほとんど書き込みしていないし。
更新ペースも不定期だし!(たぶんこれが一番の原因)

特に最近はいろいろ忙しく更新が滞ってしまっております。
アニメを見ていないわけではないのですが、なかなか一気見できないといいますか。
リアルタイムの作品さえ、追いついていない感じでして。

書くネタと時間が出来次第、記事を追加していきたいと思っていますので、
今後ともよろしくお願いいたします。

韓国のミネルバ事件がリアルに「笑い男」な件 - 2009.02.10 Tue

 このブログでは、あまりテーマ違いのことを載せるつもりはなかったのだが、ちょっとびっくりしたニュースがあったので、掲載。メディア上の原文は長いので、自分なりに要約。

 韓国のネットの書き込みで経済状況の予測を次々と的中させたとして注目を集めていた「ミネルバ」というHNの人物を当局が逮捕した。逮捕理由は「公益を害する目的、あるいは自己の利益や他人の損害を目的として、ネット上に虚偽の情報を流した」というもの。主張としてはミネルバの書き込みで市場に不安心理が広がり、政府は為替安定のために約22億ドルの資金を投入せざるを得なかったという。

 なんともはや。これが本当なら、韓国でのネットの影響力は凄いな、ということだが、それを理由に政府が22億ドル動かすというのは無理ないか?しかも該当する虚偽情報とはどうもまったく根拠なしというわけでもなかったらしい。

 ここまでの段階で、ネットで自分の意見を述べることへの過剰な規制といった危ない風潮を感じる……。それだけなら、昨今のあちこちの規制強化の流れと同じ文脈というだけなんだけど。

 「ミネルバ」は自称していたような経済専門家ではなく、31歳の無職の男性。もてはやしていたマスコミは手のひらを返したように彼を批判し、一方ネット上では彼を賞賛する声が強まっている。そんな中、月刊誌『新東亜』は自称「本物のミネルバ」というK氏のインタビューを掲載。K氏いわく「ミネルバとは自分を含めた7人の経済専門家からなるグループで、今回逮捕された男は偽者である」という。

 表では犯罪者・ネット上では英雄というだけでなく、模倣者まで出てきたっぽい。攻殻機動隊SACの「笑い男事件」との類似性を思わずにはいられない。まさか、現実でそれと近いことが起こるとは。表現規制に関する危機感とは別に、何か事件として面白くなってきたみたい。

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