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[Novel/Comics] 萩尾望都『ポーの一族』 他 - 2010.12.07 Tue

 先月読んだ作品の感想などを。読書感想欄はどうも月1ペースがしっくりくる気がするな。

 以下続きにて↓ ■萩尾望都 『ポーの一族』

 だんだんこの人の作品の読み方がわかってきたよ。この人のコマ割は映画的なのとマンガ的なのが混じっているみたいだ。志村貴子さんの作品もそうだけど、ちゃんと文脈を考えてゆっくりしたテンポで読まないと、わからなくなる。顔が似てるので、流し読みするとどの台詞が誰のかもわからなくなりそうだし(笑)。

 夜、寝る前に一話だけ読むというのが楽しみだった。時系列がシャッフルされていて、構成が練られているのが伝わってくる。ようやく繋がって、おーなるほど、と。

 適度に人間的なエピソードを入れて感情移入させるところもあるけれど、基本的には距離を保っているのが、不思議で美しい印象に繋がっているんだろうか。その意味でもエドガーが生死不明となり読者の前から姿を消すラストは、確かにこの物語の閉めに似合っている。


■志村貴子 『放浪息子』

 『青い花』はアニメ・原作とも好きだった。アニメ化も決まっていることだし、ということで『放浪息子』を読んでみたわけだが、やっぱ志村貴子さんの作品好きだわー。

 テーマとしてはジェンダー的なものが中心だけど、そこに描かれるマイノリティなひとたちの描写がいい。シチュエーション自体は現実にはなかなかないけど、そこでの心情描写自体は現実的だし、とても"わかる"。『青い花』での鎌倉という舞台設定といい、『放浪息子』での小学校・中学校の描写といい、何だか懐かしさを覚えるのは何故だろうね。

 そういう痛々しいところと優しいところのバランス感覚が好みなんだと思う。嫌いなものが多くて生きづらいデンジェラスビューティな千葉さんが好きです。


■テグジュペリ 『夜間飛行』

 スカイ・クロラの引用元つながり、といいますか。訳が古いのもあって読みにくさは感じたけど、不思議な感覚の小説だった。現実的で非情で仕事に生きている男が主人公のはずなのに、あまり嫌な感じがしないどころか、ほんの少しのロマンチシズムさえ感じるという。

 何のために自分はそれをやっているのか?という問いに対して、もっと根源的な何かが存在するんじゃないか、とリヴィエールは考える。仕事やら人生の面倒臭いあれやこれやについて考えるとき、それらがちょっとましに思える、とても美しい視点かもしれない。

 一緒に収録されている『南方郵便機』はまだ読んでいないので、そちらも読んでみる。


■戸田誠二 『生きるススメ』『しあわせ』『ストーリー』

 作者ホームページに掲載されている、数ページの作品に感嘆して、何冊か購入。2冊はホームページ掲載分をまとめた短編集、3作目は書き下ろしの中編集だけど、短編の方が切れがあるように感じた。

 日常の中のふとした切り口の鋭さと"一見いい話だけどそうじゃないような、やっぱりいい話のような"微妙なバランスがいい。中編になると若干それが"いい話"寄りになるという感じ。『しあわせ』収録の『アポトーシス』はその意味で加筆修正がない1ページだけのあっさりした方が好みだった。

 この作家さんはもうちょっと読んでみたい。


■浜崎達也『絶対少年 妖精たちの夏~田菜』『絶対少年 妖精たちの都市~横浜』

 2005年のTVアニメのノベライズ版。ノベライズはあまり読まないほうだけど、これは出来がいいらしいと聞いたので読んでみた。絶版な本探すのにamazonのマーケットプレイスすごく便利。内容はというと、僕自身はアニメ版が好きだったので、その心情の補完として楽しめた。この手のノベライズはどっちかというとアニメ版を好きな人向けというのはあるとは思うけれど、単独で読んでも普通に面白いかもしれない。


■梶尾真治『おもいでエマノン』

 鶴田謙二の漫画版がとても良かったので。原作はこれも絶版ながら中古で何とか入手。梶尾真治さんの作風を知らなかったので、思った以上にSFな内容の話もあり驚いた。僕はいまのところ、叙情性があるのは好きだけど、ハードSF系は苦手だ。このシリーズは色々混ざっているみたい。

 既刊分何冊かは買ってあるし、さらっとして読みやすい文体なので、ときどき続きを読む感じで行くか。

● COMMENT ●

あけましておめでとうございます。

お久しぶりです、Croakさん。
『ポーの一族』読了されたようですね。『エディス』中で、階上のエドガーが階下のオービン卿に矢を番えている場面が、階下のクックスが階上のアギーに銃を向けるというシーンとして『ファンチル』に引用されているように思うのですが、如何でしょう?
萩尾作品では、読了後の喪失感が凄まじかった『スター・レッド』もお勧めします。

昨年、萩尾氏の門下生にあたる佐藤史生という方の訃報を知ったのですが、この方の『ワン・ゼロ』『夢喰い』という作品も、機会があったなら手に取ってみてください。

萩尾氏を“神”に例える方は多いですが、個人的に佐藤氏は“怪物”だと思っています。

Re:

あけましておめでとうございます。

なるほど、「年をとらない子供」と「それを追う者」という構図は確かに似ているかもしれませんね。次にファンチルを見直すときに、改めて比べてみたいです。『スター・レッド』は実は既に購入済みなので、今度読み始める予定だったり。

佐藤史生さんについて少し調べてみたところ、興味を惹かれました。絶版が多そうなのが厄介ですが、いずれ読んでみたいです。


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