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[Novel/Comics] 小川洋子『ミーナの行進』他 - 2011.02.20 Sun

買ったものを積んでしまっている今日この頃。今月も読書感想は少なめです。


■小川洋子 『ミーナの行進』

 とりあえず、序盤から感じていた"この子が死んで終わりだったらやだなぁ"というのは裏切られて良かった。何しろ作中には様々な「死」や「終わり」が散りばめられているし、それに対して主人公がどう感じたか、ということはこの作品で大きな位置を占めていると思うから。この作品がある種の喪失による幼年期の終わりを描いた作品なのは確かだけれど、それが10~20年後の現在と連続性をもって描かれている点が良いと思う。

 この主人公ほど幼い頃の特別な記憶というものがない僕にとって、当時の記憶は断片的なものでしかなく、どちらかというと軽いトラウマじみた記憶のほうが強く残っていると思う。10代の頃は環境が変わるごとに、"自分の立ち居地や性格を変えよう"とか思ってたりしたこともあって、今の自分は普段10歳前後からの連続性を感じることは少ないけれど、それでもまぁ、当時の記憶は今の自分の性格をつくる一要素にはなっているだろう。

 この本に描かれている10歳前後の記憶はとても眩しく、それと繋がっている今は心強く安心感を感じさせる。ただ、それを自分に照らし合わせると、それは必ずしも安心感だけでなく、不安感と少しの感傷の混ざった、微妙な心持にならざるを得ない。

 そんなことを考えさせるこの作家はやはり好きなほうの作家なのだと感じる。


■吉田秋生 『櫻の園』

 本当は中原監督による最初の映画版を見たいのだけれど、レンタルにもなく中古はプレミア価格なので見るチャンスがないまま今に至っている。とりあえず原作を読んだ。

 章ごとに別に人物にスポットを当てていく。前の章では表面的な描写、ほのめかすだけの描写にとどまっていた、その人の内面が描かれていく。どの人物もより魅力的に、見方が変わっていく。それらが文化祭の劇の初日前というわずかな時間に収束していく構成は、確かにめちゃくちゃ巧い。彼女たちのこの劇は見たいと思ってしまう。

 細かな描写はなるほどと思わせる説得力があるし、漫画的なデフォルメで描かれている部分さえ、実写に置き換えても想像できてしまう。実際の女子高の風景なんて知らないのに、こうして感じてしまうリアリティはどこから来たんだろう。これを実写映画にしようというのはよく分かるな。

 もともと志村貴子あたりのテーマのつながりで読んでみようと思ったこともあり、最終章である「花嵐」が僕は一番好きだった。志水さん目線で百合的文脈はあるけど、これ倉田さん目線だとそこまで行ってないよね。その辺の距離感がとてもいいです。

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