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[名作アニメレビュー]電脳コイル - 2008.11.20 Thu

 とにかく、面白い。余計なこと考えなくても見ているだけで楽しい、そして見終わった後にちょっぴり甘くてほろ苦い気分を残してくれる、そんな作品です。都市伝説やオカルトといったエンターテイメントにしにくい題材を上手く料理している作品でもあります。

 「電脳メガネ」と呼ばれる眼鏡型のウェアラブルコンピュータが普及している近未来日本。現実世界にネット上の情報を投影して見る電脳の世界は、子供たちにとって格好の遊び場だった。電脳技術にはその開発段階から様々な都市伝説が存在し、それらは噂話となって子供たちの間に広まっていた。

作   品   名 総合評価 テーマ
構 成
脚 本
キャラクタ
動 画
演 出
背 景
美 術
音 楽
電脳コイル 9.0 10 10
→2007年アニメランキングはこちら

 小難しい電脳世界を子供の視点から見ることで、何とも魅惑的でノスタルジックな近未来世界を構築している。この子供の視点というのが結構徹底していて、終盤になって、背後に大人たちの陰謀の存在が見え隠れしても、実際に画面に現れるのは、子供たちとその周囲にいる大人だけ。子供たちの世界というフィルターを通すからこそ、オカルトな話の現実離れした怖さが引き立っている。一方で大人と子供の関わりを疎かにしていないところも、この作品のいいところ(各話感想参照)。

 この作品はよく作画が凄い、と言われる。もちろん絵や動きも凄いけれど、一番の魅力はやはり緻密に組み立てられたストーリーの吸引力だと思う。物語の転換点がわかりやすい形で散りばめられていて退屈しない。また伏線の張り方が巧く次への興味が途切れない。

 大きな展開で分けると、下記のようになる。ネタバレを避けるため、あえて曖昧な表現をしてますが。

話数 内容 山場
第1~3話 プロローグ 駅ビル
第4~5話 ふたりの転校生 バス墓場
第6~10話 コイル探偵局事件簿(イサコの暗躍) 夜の学校、イサコVSサッチー
第11~13話 夏休み(短編×3)
第14話 総集編
第15~20話 最後の夏休み(ハラケン・カンナ編) 通路からの生還、VS 2.0
第21~23話 イサコの苦悩 学校に開いた通路
第24~26話 ヤサコの決意 コイルドメインの攻防

 1話完結方式で番外編的色合いが強い第11~13話(それでも全体の伏線はあります)と総集編以外、それぞれの章にビジュアル的にも派手な山場があり次の章に繋がっていく。

 特に後半は完全シリアス路線。カンナの事件や、イサコの背景などの重い心情や、微笑ましい恋愛描写など、繊細な心理描写が切ない。ふたりのヒロインがそれぞれ自分の弱さに気付き、それを乗り越えていくラストは感動もの。「灰羽連盟」が好きな人はきっと好きだろうと思う。百合好きな人もきっと好きだろうと思う(笑)。

 第5章の中盤から怒涛の展開が続き、各話ごとの引きが凄いので、もし今から見ようという人が入れば後半は一気見するつもりで見ることをススメます。

 最後に印象に残った3エピソードの感想などを。あちこちで傑作と言われつくした感のある12話「ダイチ、発毛ス」はあえて外します。

ネタバレ注意!
■第9話 あっちのミチコさん

 夏休みの合宿(しかも学校)で肝試しという正統派ジュヴナイルな舞台が、オカルトに様変わりするこの回。この作品世界を象徴している気がします。一部次回に持ち越されますが、話的には第3章のクライマックスと言っていいでしょう。

○ミチコさんに関する怪談話。よく出来てますよ、この話。ハラケンによると類型的みたいですけど(笑)。「いや、民俗学的に見ても面白いから是非」と話を続けようとするハラケンがドSです。雷の効果音を鳴らすナメッチ君が地味に面白い。

○酔っ払ったマイコ先生。マイコ先生唯一の見せ場回でこの扱い(笑)。いや、生物部員の仲直りを画策したりいい先生なんですけれど。序盤でハラケンがデンパに頼みごとをしたり、彼らが別にいがみ合っているだけじゃないことがわかる回でもあります。

○夕暮れの廊下にポツンとおかれたダイヤル式の電話機が怖い。ハラケンよく使い方知ってたな。ミチコさんを取り込むイサコや、ハラケンの電脳体のずれ(コイル現象)など後々に繋がる要素が満載でした。

■第18話 異界への扉

 前回、今回のイサコの計画発動から、後半の怒涛の展開が始まります。もう強烈な引きの連続です。

○ハラケンの目の前で開いた鍵穴。夕暮れの中でおいでおいでをしている(ように見える)黒い人影。信号機の「通りゃんせ」がこんなに不気味なものだとは。これを書きながら、能登麻美子さんが歌う怖い童謡というラジオネタを思い出した(笑)。

○焦るイサコ。誰かを巻き込むことに非常に敏感になっている様子が伺える。イサコの性格のまじめさがわかると同時に、彼女が他人を拒絶する性格もその辺に起因しているのかも、と思わせます。

○京子を連れ去るイリーガル。このラストシーンは再視聴したときも鳥肌もの。子供が見たらトラウマになりかねない。

■第24話 メガネを捨てる子供たち

 あえて、最終話ではなく最終章の始まりであるこの話数を選んでみました。どちらかというと周囲に合わせてきたヤサコが、変わろうとする話。イサコと出会ったときに言われた金沢での「トラブル」という伏線をここで回収。

○「手に触れられるものだけが本当のこと」。いいお母さんです。感動的な演出のシーンでもあります。しかし、ここまでのストーリーを見てきた視聴者にとっては、違和感を感じるシーン。それが巧い。ある意味NHK的結論になりそうな母からのメッセージですが(笑)、それをかわして、ヤサコが辿り着いた結論は……。

○「この痛みを感じる方向に真実がある」。ヤサコが自分の大事なものを自分で決めた瞬間。それまでモヤモヤしていた視聴者の気分が晴れる瞬間でもあります。

○ヤサコの金沢での「友達」マユミ。24話では思わせぶりな引きで終了ですが、次回冒頭と合わせてヤサコがイサコに指摘された「トラブル」が何かわかります。周囲から阻害された「友達」をただ見ているだけだったヤサコ。比較的さらりと流されますが、「表層的な友達づきあいしかしてこなかった」ということを自ら知ったヤサコだからこそ、その後の行動への決意の強さに繋がったのでしょうね。


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● COMMENT ●

はじめまして。

大日本技研といいます。

電脳コイル私も好きです。

croak crawlerさんとは共通点ありそうです。
安倍吉俊、菅野よう子、冬目景。好きです。

もし良ければ、相互リンク、ブロともお願いします。

ありがとうございます

コメントありがとうございます。ブロともは機能を使っていないもので(-_-;)、取り合えずリンクに追加しておきました。HNからすると士郎正宗さんのファンでしょうか?攻殻のTVシリーズで知って以来いろいろと読みましたよー。またのコメントお待ちしてます。

リンク、ありがとうございます。

攻殻はどちらかというと押井守がきっかけだったので
コミックよりアニメの比重が高いです。
だから士郎正宗より押井守の影響が大きいです。

最近やっと「Serial Experiments Lain」や「灰羽連盟」を観て
安倍吉俊さん好きになりました。

活字よりアニメが楽に感じてきてるので
このごろはアニメばかりで、コミックや小説まで手がまわってません。
うぅ、アホなんです・・・。

なるほど。

>活字よりアニメが楽
よくわかります。私も一時期そうでした。めぼしいアニメを見つくすと、また活字にもどりたくなるかも(笑)。

安倍氏つながりで「TEXHNOLYZE」あたりをオススメしておきます。序盤は展開がわかりにくいですが、7話くらいから面白くなります(個人的意見ですが・・・)。

おお!さすがっ!!ありがとございます。

「TEXHNOLYZE」観ます!感謝!!

そうですね。活字が恋しくなるときが来るでしょう。たぶん。

今、「とらドラ!」の萌え萌え攻撃と戦い終わってから
「TEXHNOLYZE」突撃します!

ランスロット発進!!


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