スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[名作アニメレビュー] マクロスF - 2008.11.24 Mon

 第7話までで盛り上がりまくった期待感がだんだん下り坂になっていった作品(好きな方すみません)。で、全体的には評価は低いんですが、ある一点においてのみ、あまりにも突出している作品なので、これはレビューせざるを得ない、と思った次第です。

 宇宙移民船団マクロスフロンティアを襲う未知の生命体バジュラ。成り行きでバジュラと戦うパイロットになった主人公アルト。歌手を目指す記憶喪失の少女ランカ。銀河の妖精と称されるスター歌手シェリル。惹かれあう彼らだが、裏でバジュラに秘められた陰謀が動き出し、彼らは進むべき道の選択を迫られる。

作   品   名 総合評価 テーマ
構 成
脚 本
キャラクタ
動 画
演 出
背 景
美 術
音 楽
マクロスF 7.2
2008年アニメランキングはこちら


 コードギアスR2、ガンダム00 2ndシーズンと並んで、話題性で言えば2008年のアニメの中でもトップを争う作品と言えるでしょう。そして、SFものの宇宙戦闘シーンにおける「歌と映像の融合」においては、おそらくアニメ史上(あるいは映像作品史上?)に残る作品と言えるかもしれません。

 菅野よう子による音楽は作品の要求に応えたもので、二人の歌姫に合わせた曲を書き下ろし。シェリル曲では「創聖のアクエリオン」で身に着けたと思われる捻くれた4つ打ちハイスピードポップ?に一層磨きがかかってます。ランカ曲では80年代J-POPを意識した懐かしげでキャッチーな楽曲(坂本真綾嬢に提供していた楽曲群に比べるとちょっぴり物足りない感もありますが……)。

 そして、そんな歌をバックに目で追いきれないくらいのハイスピードなCG戦闘の高揚感は素晴らしいものがあります。中盤、ちょっと目が慣れてしまいましたが、最終回はさすが、という盛り上がりを見せてくれました。

 褒めるのはこれくらいにして、まずいところを。ひとつは、中盤、キャラクターの掘り下げができておらず、テーマが散漫になっていること。

 青春モノ的な「自分の道を選択すること」、恋愛モノ的な「三角関係の行き着く先は?」、どちらのテーマも主人公が最後に選んだ結論は、問題の先送りとしか見えません。SF的な「異種生命体が共存できるか?」というテーマについても、ずっと引っ張った割りにあまりにもあっけなく、ご都合主義的な解決だと思います。

 もうひとつ、演出とシリーズ構成で気になった点を最後に語ってみたいと思います。
ネタバレ注意!
■マクロスFは学園モノか?

 いわゆる「学園モノ」というジャンルがある。普通ラブコメなどが多いが、「エヴァ」以来、そうでない作品も増えた気がする。

 「エヴァ」のように壮大なストーリーが展開されるにも関わらず、主人公たちの主な生活は学校生活であるパターン。「涼宮ハルヒ」のように、「世界の危機」を日常的なモノローグで語るギャップの可笑しさが作品の核になっているパターン。などなど……。

 ここでいう「学園」とは「外の世界の謎」に触れることのできない「狭い世界」であり、一方で「帰るべき日常」の象徴です。同時に、それらは主要登場人物たちを一同に会させ、彼らの対話を生み出し、キャラクターを掘り下げるための舞台装置でもあります。

 マクロスFはこの観点からすると、かなり微妙です。アルト・シェリル・ランカの3人は第9話以降、同じ学園に在籍していますが、学校での彼らの会話はその後ほとんどありません。形式は満たしていても、物語構造上は「学園モノではない」と言えるでしょう。

■マクロスFは大河ドラマか?

 大河ドラマというのは、TVドラマにしてもアニメ作品にしても、複数の勢力が争い、その衝突やすれ違いが物語局面を動かしていく作品です。そして、その際の彼らの対話・行動が、彼らのキャラクターを作り、深めていくのです。

 マクロスFはどうか、というと、これまた微妙といわざるを得ないのです。何故なら、主要キャラクター3人が物語を動かしていく勢力になれるほどの力がないから。彼らは最後まで、あくまで一パイロット、一民間人、一歌手としての立場に過ぎません。

 結局、学園モノでも大河ドラマにもなりきれなかったこの物語は、他に人物を掘り下げる手段を用意できなかったと言えるのではないでしょうか?個人的には主要人物以外のキャラクターにも焦点を当てるなど、群像劇のような描き方をした方が良かったように思っています。

■マクロスFは誰の視点の物語か?

 最後にこの点を考えてみたいと思います。基本的には神の視点であり、場面場面において視聴者は各登場人物に感情移入して見ていると思います。しかし、僕は妙な居心地 の悪さを感じる瞬間が終盤何度かありました。例えば以下のようなときに。

・アルトがビルラーと会った際の会話シーンが省略される。
・ランカの「さよなら」。この時点でランカの記憶がどこまで戻っているのか不明。
・SMSがフロンティアを離脱する前夜、アルトに届いたメールの内容が不明。
・アルト・ルカ・クランがSMS離反時についていかなかったことが判明。理由は後からわかる。
・シェリルの伏せられていた過去。スラム出身だったことが、終盤、視聴者に明かされる。
・シェリルを抱きしめるアルト→暗転。その後、彼らに何のリアクションもなし。

 などなど。はっきり言って、どれも視聴者に意味深な印象を与えているだけで、物語上、隠す程大したことではないです。登場人物への感情移入もしにくくなる分、損をしていると思います。結局のところ、物語の視点に作り手の作為を感じてしまうというのが、終盤物語に入り込めなかった一番の原因だったのかもしれません。



名作アニメレビューTOP

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://croakcrawlers.blog7.fc2.com/tb.php/5-9a928aa2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ブログとgoogle検索 «  | BLOG TOP |  » [名作アニメレビュー] Ergo Proxy

Profile

Author : CroaK

Since 2008.9.27.

ブログの中身は上のメニューから。

管理人へのご連絡等ありましたらコメント欄にお願いいたします。

Access Count

Categories

このブログについて (1)
日々雑記 (68)
スカイ・クロラ (19)
アニメランキング (13)
アニメレビュー (19)
映画感想 (27)
電子ピアノ (25)
カーデザイン (17)
イラスト (7)
楽譜 (7)
特集記事 (5)
音楽 (1)

Tag

アニメ 音楽 日記 読書 小説 部屋 漫画 楽器 映画 

Archives

Recent Entries

Recent Comments

Search

RSS

QR

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。